八支則 第1ステップの「ヤマ」について
みなさん、こんにちは!
神戸市東灘区・芦屋市を拠点にヨガレッスンを開催している栗林直美です。
ヨガの経典「ヨーガ・スートラ」には、「八支則(はっしそく)=ヨガを深めるための8つのステップ」が記してあります。
その第1段階「ヤマ」、第2段階「ニヤマ」には、日常生活の指針が説かれています。
大昔に書かれた経典ですが、現代の私達が生きる上でも、とても大切なことがたくさん学べます。
人間の本質とは変わらないものなのかもしれませんね。
今日はこの「ヤマ」にの5つの規律について解説します。
ヤマとは「禁戒(きんかい)」つまり「してはいけないこと」について記されています。
◆アヒムサ(非暴力)
「暴力をふるってはいけません」という教えです。
それは、他人に対しても、自分に対しても、です。
そして、物理的にも、精神的にも、です。
マハトマ・ガンジーが生涯を通して守り抜いた教えです。
誰も傷つけない優しい言葉を使い、他者に感謝する。
休みたい時は休み、自分自身も傷つけない。
嫌な記憶を反芻せずに、自分を褒めて、物事に感謝する。
振り返ってみてください。
日々、やるべきことでスケジュールを埋め尽くしていませんか?
きちんと自分をいたわっていますか?
◆サティヤ(正直)
「嘘をついてはいけません」。
嘘をつくと良心が揺さぶられて、何だか落ち着かない気分になりませんか?
つまり、穏やかな心を保つには、嘘をついてはいけないのです。
疲れているのに疲れていないふりをする、苦しいのに平気なふりをする。
これも自分の感覚に嘘をついていることになります。
疲れているなら正直に休みましょう、苦しいなら正直に伝えましょう。
◆アスティヤ(不盗)
「盗みをしてはいけません」というと、とんでもない!と思うかもしれません。
ここでの盗みは他人の「物」だけではなく「時間」や「権利」も含みます。
約束の時間に遅刻したり、相手の話を遮ってしまったりすることは、他人の時間や権利を盗んでいることになります。
相手を思いやり尊重する気持ちが大切ですね。
◆ブラフマチャリア(禁欲)
「欲におぼれてはいけません」という教え。
元々は生涯独身で過ごすことが説かれていましたが、現代的に解釈すると「パートナーを裏切らないこと」や、「利己的な欲を満たそうしない」ということになります。
心のエネルギーは大事なことにだけ、大切な人にだけ、必要な分だけ使うようにしましょう。
率先してブラフマチャリアを行っていくと、より良い人間関係が築き上げられていくのだとか。
◆アパリグラハ(無執着)
「貪欲になってはいけません」。
欲望は次から次へと湧き起こり、尽きることがありません。
そして何かを必要以上に所有すると、執着心が芽生え、失うことへの恐れが生まれてしまいます。
今必要だと思っているものは「自分が本当に手に入れないといけないものなのか」を常に考えましょう。
アパリグラハを実践していると「ない!ない!」という渇望から自由になります。
まとめ
さてさて、いかがでしたでしょうか。
ヤマの5つの規律だけきくと「なあんだ、当たり前のことじゃない!」って思うかもしれませんが、きちんと細かい説明まで読んでくださった方は普段の自分の行動や意識をふり返るきっかけになったのではないでしょうか。
私もこの文章を書きながら、改めて心が洗われました。
ヨガの哲学からは本当に学ぶことが多いです。
次回は「ニヤマ」について、お話したいな~と思っていますので、お楽しみに!
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