八支則 第2ステップの「ニヤマ」について
神戸市東灘区・芦屋市でヨガレッスンを開催している栗林直美です。
先回は八支則のうち第一段階目の「ヤマ」、ヨガの禁戒についてお話ししました。
今回は第2段階目の「ニヤマ」、歓戒(かんかい)についてご紹介します。
「ヤマ」は「他人や物に対して~~~してはいけません」という教えですが
「ニヤマ」は「自分に対して~~~しましょう」という教えです。
ヤマと同じく5つの規律があります。
◆サウチャ(浄化)
「体と心を清潔に保っておきましょう」という教えです。
体をきれいにしておけば心も浄化されます。
心が純粋であれば、物事へ集中しやすくなります。
私たちが目の前のことに集中できなかったり、すぐに気が散ったり、欲に翻弄されるのは、心が不純だからとヨガでは捉えられています。
いつもニュートラルな心であるためにも、自分の関わる場所、そして自分自身を常にきれいに保っておくことが大切です。
◆サントーシャ(満足)
「満足できる心を持ちましょう」・・・私の大好きなヨガの教えです。
「満足」以外にも「知足(ちし)」、つまり「足るを知る」と訳されることもあります。
人間はとても欲深く、持っていないものを「あれも、これも」とむさぼるように追い求めていてはきりがありません。
他者を「うらやむ心」を含め、自分の外側へ欲を満たす対象を求めず、今自分が手にしているものを見つめ直してみます。
そうすると、意外とたくさんのものを持っていることに気づきますよ。
「あきらめる」のではなく、あくまでも「受け入れる」。
自分が満たされていることに気づき満足することです。
そうすれば、おのずと今の環境に感謝の心が生まれてきます。
◆タパス(苦行)
「努力を継続しましょう」という教えです。
体をいためつけるような苦しい修行を思い浮かべるかもしれませんが、それは「ヤマ」の「アヒムサ」で禁止されています。
ヨガの練習を(もちろん楽しみながら!)ずっと続けていくこともタパスに含まれます。
体は負荷をかけることで筋肉をきたえることができます。
これは心も同じで「もうだめだ~」という状況を乗り越えていくことによって、自信をつけることができます。
常に自分のベストを尽くすように毎日を過ごしましょう。
◆スワディヤーヤ(聖典学習)
「聖典を読みましょう」という教え。
「生命の智慧」についての学習をし続け、自分の中に落とし込み、得た知識を実践し、人格を成長させること。
「自分をより深く理解し、自分から最大のものを引き出すための学習をしましょう」というほうが分かりやすいかもしれません。
◆イシュヴァラプラニダーナ(神への献身)
「内在する神聖なるものに目覚め、身をゆだねましょう」
ヨガの勉強をしているといろいろな神様が登場します(ブラフマ神、ヴィシュヌ神、シヴァ神など・・・)。
イーシュヴァラプラニダーナは、そういった絶対神への崇拝ではなく、人・物を含めた「全てのもの=イーシュバラ」へ感謝の気持ちを持ちましょうという教えです。
すべてのものに神様が宿っているという考えは、日本の「八百万の神」の考えにとても似ていますね。
また、世の中や自分に起こる全てのことを受け入れ、身をゆだねること。
いいことも悪いことも、そのまま受け入れる。
そうすると自然と自我と傲慢さがなくなっていきます。
まとめ
「ヤマ」「ニヤマ」は八支則(ヨガの訓練の8段階)の第3段階目である「アサナ」の前のステップです。
つまり「ヤマ」「ニヤマ」がクリアできていなければ、本来はヨガのポーズをとることはできないのです。
ポーズをとることよりも基本とされるヨガの教え、ご理解いただけたでしょうか?
「ヤマ」「ニヤマ」を意識して続けると、自分をコントロールできるようになってきます。
ヨガレッスンでとるアサナもより深いものになるでしょう。
ヨガの教えが皆様の心の平安につながりますように・・・。
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